ニュートンの運動の第一法則とは何でしょう?
パックとお茶と運動

コツン。あなたのホッケーのスティックは止まります。でも、パックは止まりません。もっといい用事でもあるかのように、氷の上をすいすい進んでいきます。何が押し続けているのでしょう?何も押し続ける必要はないのです!動いている物体は、動き続けるために絶えず押される必要はありません。この小さな驚きが、上手なパスや、お茶を揺らさずに運ぶこと、そして宇宙探査機のとても長いお別れを説明してくれます。

滑る動きの決まり
アイザック・ニュートンの運動の第一法則は、どんなことが起こるかを教えてくれます。物体は、つり合っていない力が働かないかぎり、静止し続けるか、同じ速さでまっすぐ動き続けます。力とは、押したり引いたりする働きです。「つり合っていない」とは、押す力や引く力が打ち消し合っていないという意味です。あなたのスティックは、パックを動かし始めたときに、そんな力を加えました。スティックが離れると、パックは約束の場所へ向かい続けます。

支えられても滑り続ける
でも、重力は下向きに引っ張ります。なぜパックは氷を突き抜けて沈まないのでしょう?氷が上向きに押して、重力が引く力とつり合っているからです。この二つの力は、上下方向の動きを変えません。下から支えられているからといって、横に滑る動きが自動的に止まるわけではないのです。同じ動きを続けたり、静止し続けたりしようとするこの性質を、慣性といいます。秘密のモーターはありません。意志の強さでもありません。物体とは、そういうものなのです。

ずっと短い旅
それでも、パックはいずれ遅くなります。動きを使い切ってしまったのでしょうか?いいえ。摩擦を忘れていました。摩擦とは、触れ合う面どうしが滑るのを妨げる力です。氷の上では摩擦は小さく、カーペットの上ではずっと大きくなります。同じ出発時の速さでパックをカーペットの上に送り出すと、壮大な旅は、ちょこっとずるずる進むだけになってしまいます。摩擦は、つい忘れてしまう隠れたブレーキです。空気も動きを妨げます。

ネットへ向けてひと押し
氷の上に戻ると、次のパスはゴールの横を通り過ぎそうです。チームの仲間がスティックで向きを変えます。なるほど、曲がることも、速さが同じでも運動を変えることになるのです。それにも、つり合っていない力が必要です。ニュートンの法則は、狙いをつけるときにも役立ちます。ゴールが魅力的に見えるからといって、パックが進路を曲げてくれるわけではありません。

お茶と一緒に意外なお客さん
練習は終わりです。パックはお茶のマグカップと並んでトレーに乗っています。トレーが急にぐいっと動き出すと、カップががたがた揺れ、パックは後ろへ滑ります。摩擦が二つを一緒に連れていくより先に、トレーがその下で動いたのです。もっとゆっくり動き始めれば、摩擦に二つを一緒に加速させる時間ができます。隠れたブレーキには、もう一つ仕事があったのです。お茶を運ぶお手伝いです。

氷も空気も越えた先へ
練習のあと、お茶を飲みながら、話は想像できるかぎり最も長いパスへと移ります。ボイジャー探査機は、エンジンで絶えず前へ押されることなく、何十年も宇宙を進んできました。そこには、探査機を遅くする空気がほとんどありません。重力は今もその運動を変えているので、旅は一定の速さで完全にまっすぐ滑るものではありません。でも、ただ動き続けるためだけなら燃料はいらないのです。宇宙のカーペットに旅を終わらされることもありません。

無事に到着
トレーがテーブルに着き、そっと止まります。摩擦がカップとパックも一緒に減速させます。ここでもニュートンの第一法則が働いています。静止し続けたり、まっすぐ一定の速さで動き続けたりするのに、つり合っていない力は必要ありません。動き始める、止まる、速くなる、遅くなる、向きを変えるときには必要です。こうすれば、パスの行き先を導き、お茶を波立たせずに運べます。パックはカップの隣で休んでいます。どうやら、ここが約束の場所だったようです。